実家の母は1月の極寒の日に息を引き取りました。
昭和一桁生まれの気性の激しい人でした。
母の着物姿を何度か見たことがあります。
お正月の小豆色のウール着物、卒業式の紫の着物、茶色の笹模様の羽織、濃い緑色の化繊の着物
サザエさんのお母さん、フネさんが着ているような感覚です。
小柄だった母の着物は誰もサイズが合わず、保管状態も悪かったので処分しました。
去年11月に古着屋で買った着物を眺めていたとき

(母さんもこの色なら、気に入ってくれるかな…)
ふと…そう思いました。
母が亡くなって もう何年も経っているのに
私は無意識に母が選びそうな色、母が着ていた着物の色を選んでいました。
自分の好きな柄と色を選んだのですが、母も気に入りそうだと やっぱり安心します。

母が口癖のように「衣類にお金をかけるなんて! 着道楽はもったいなか」と言っていたことも
和装用のショールを薄紫色のモヘアで編んでいたことも
何度もしつこく編み直して糸を傷めていたことも憶えています。
母の遺影は薄紫色の着物を合成してもらい、
背景もそれに合わせてやわらかい紫色のグラデーション
“母さんの好きそうな色を” 家族全員一致で選びました。
それが遺された私たち家族にできる精一杯でした。
私も含めて家族は次々に精神科に通院。
本当に周りを振り回す厄介な人で家族は気が休まりません。
大切だけど、関わるのが大変な人。
関わるのが大変だけど、大切な人。
(あぁ、あんな強烈な人でも死ぬんだな…)

メルカリで購入した羽織がちょうど母の祥月命日に届きました。
赤紫色の足利銘仙だそうです。
写実的に描かれたチューリップが気に入って購入。
母さんが気に入らなくても、私が好きだから着る。

私は私の好きなものと生きる。それがいい。

“母さん、私は幸せに生きているから安心して”
○o。..:*・ ユカエル ・*:..。o○









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